「渋谷系ファッションとは?」
先日の日曜日(8月8日)に渋谷からほど近い「三宿」のバー「e-bis」でDJをやらせていただいた。
そのお店のママ(?)をやっている子はmixiではマイミクでもあり、かつて彼女がイベント・オーガナイザーをやっていた時期にはお世話にもなったし、共通の友人・知人も複数いる。まだ若いのに飲み屋の女将(おかみ)とは立派だなあ。
ただ、そのお店は2年前にDJで行ったことがあるものの、あまりどんな感じだったか具体的な記憶がなかった。何か手料理があったような気がしていたので、「バー→小料理屋」みたいな感覚だった。
ただし、DJブースがある小料理屋というのも考えてみれば不思議な気がするが、たいていボクの認識はそのくらいいい加減なもんだ。少なくとも酒場であり、彼女は女将には間違いないだろう。
今回の話では次のような会話が進んでいた。
「じつは、その日はお店の三周年パーティなんですよ。だからスペシャル・ゲストDJとして宅さんをお呼びしたくって」
「ああ、それはおめでとう。ボクで良ければ喜んでお引き受けしたいです。うれしいですよ」
「それから最近、うちのお店では古い曲とか歌謡曲とかが流行っていまして・・・」
「ああ、そうなんだー、すっかり三宿が新宿ゴールデン街みたいになってきてるんですね♪」
「ん? んー、渋谷系とかー・・・」
「えっ!」
あれっ、それって悪徳企業P&Gの責任ある立場にして、大物音楽評論家の四方宏明せんせー野郎が専門じゃなかったっけ。
それに「渋谷系」って確か20年たってないくらい前の話じゃなかったか? ボクは古い曲が流行っていると聞いて、フツーに40~50年前の話だろうと思っていた。
渋谷事情は「上野系」であるボクは良く知らないし、10年一昔とは言うが、ボクはもう48歳になるので、たった20年もたってない時代が「古い」とは思えなかった。上野系はもっと流れる時が遅いよー。
とにかく、良く分からないものの「ボクの上野系DJスタイルで大丈夫なのか、問題ないのか」をママに再確認して、DJ依頼を引き受けることにした。
ところが、前日の夜遅くになって、その子からとてつもないメールが来たーッ!
「どうもー、最近はホントにウチは渋谷系って感じですぅ。明日のパーティも、ファッションはきっと、みんなエビアン・ホルダー下げてやって来ますよ~。〝そんな感じ〟で、宅さん明日はヨロシクお願いしま~す!」
かなりのショックを受けた!「エビアン・ホルダー」って何だ?!
エビアンなら分かる。フランスの飲料水だ。日本では現在は伊藤園の扱いで、硬水だから、小麦粉などを練るのには良いが、基本的に料理には向かない。しかし、「エビアン・ホルダー」となると見当も付かない。多分、エビアンのホルダーだろう。
このあたりは渋谷系の専門家・四方の野郎に聞くしかないな・・・。
しかし、酒場に飲料を持ち込むような失礼が許されて良いのか、渋谷系は? ボクの率直な疑問であった。礼儀知らずという意味で四方宏明にもあらためて疑念はわいた。
ただ、ここでオタク評論家・宅八郎としては頑張っちゃう必要が生じた。ボクには音楽的なことは分からないし、間に合わないから、まず渋谷系ファッションとか、エビアン・ホルダーとかの攻略をすることにしたのだ!
しかも、たった1日ない時間制限内で任務を遂行する必要があるッ(すでに24時間もない)!!
ネットで「エビアン・ホルダー」を検索してみると、やはりペットボトルを持ち歩き出来るように、首からさげるようなモノらしいことは分かった。
しかし、入手しようにもそれらしいものは中々出てこない。包み込まれた保冷用のものはあるが、「中はおフランスのエビアンですよ」みたいに分かるようなものが見つけられないのだ。
「渋谷系はおフランスだ」と何度も何度も先生づら下げて語っていた四方宏明なら解決できるものなのか・・・。
また、仮にAmazonやYahoo!などネット・ショッピングをするとしても、すでに夜中だったから間に合うはずもない(事務用サプライ品などを扱っているアスクルでも受付締め切り時間を過ぎていて無理)。
そこで、ボクは作ってしまうことにした。
ボクのキッチンはかなり多くのものを収納できるようになっていて、ほとんどあらゆる料理(日本以外も)を作れるよう、調味料や料理用の酒や水など、たいていのモノは揃っている。幸いなことにエビアンなら何本かあったハズ。見てみると台所の奥にそれはあった。あ、限定パッケージもの多数発見だ。


ただし、写真右は冗談で、韓国高速鉄道KTX車内で販売されてる山水ですが(笑い)。
問題はホルダーだ。そこで「エビアン」というロゴが見えるようにするには、もう一回り大きなペットボトルを加工すれば良いのではないかと考えた。ただし、通常の日本のペットボトルは四角形で2リットルと大きいか1.5リットルとデザインが変わってしまうかで、エビアンのような丸いボトルのあの大きさには合わない。
冷蔵庫を探してみたら、同じフランスのスパークリング・ウォーターがあって、形は丸かったし、125clというちょうど良い大きさ。ペットボトルといってもコカ・コーラではないが、くびれを取り入れたようなデザインセンスが光っていた。
そうした女性のボディのような、くびれデザインのために、非常に慎重に、ちょうど良い長さにカッターで切り取って、キリで穴を4つ空けた。そこに梱包用の赤色ビニールひもを頑張って通してみた。梱包ひもが穴を中々通過しないため、実際には時間はかかってしまったのだが、良い感じになった。チープだなぁ(笑い)。

さらにハードルが高かったのは渋谷系ファッションというヤツだ。
Googleで検索してみたら、「渋谷系ファッション」とは、どうも男性は若手ホスト風、女性はキャバ嬢さん風の「渋谷109っぽいファッション」のようだった。もしかしたら『EGG』みたいな感じ?
しかし、このあたりは渋谷系専門家の四方に聞いてみないと分からないが、何だかちょっと違うような気もした。
上野で言うと、湯島寄りの上野から、御徒町寄りの上野、 昭和通り反対側の東上野の違いのような感じかナ。渋谷系ファッションと言っても、色々あるんじゃねえか、もしかして。
そこで、さらに検索したり、真夜中に電話してもイイ友人などに聞いてみた。そこで、ボクはどうやら酒場の女将の言っていた「渋谷系ファッション」とは〝ヒップホップとユーロビートと昭和歌謡が好きなヤツ〟が着ているような、お洋服ではないか、と感じた。独自のプロファイリングである。
さっそく寝室の押し入れに向かったボク。押し入れの中には普段着ないような服が山ほど入っている。その中に「上に書いたようなヤツ」が着てる服もきっとあるだろう(DJの準備もあるから、外出して買い物する時間はなかったが、家には色々ある)。
ボクのお宅はドラえもんのポケットのように何でもあるようなウチなのだ。
そうだなー、たとえば、余談をしてみよう。
目の前の本棚一つだけの表側(前側)だけでも次のような本や雑誌が並んでる。
・昭和40年代の『明星』とか『平凡』、『セブンティーン』など芸能関連
・『ゲームフリーク』という同人誌やってた学生時代の田尻智君が出てる、古い『LOG IN』(アスキー)
・本だと、名著『金日成は四人いた』(李命英)や『原宿ゴールドラッシュ』(森永博志・ワニブックス)、『夢を食った男たち』(阿久悠・毎日新聞社)などなど数え切れない
・雑誌創刊号だと『ぼくらマガジン』(講談社)や『マニア倶楽部』(三和出版)、『アニメージュ』(徳間書店)、『マンガ少年』(朝日ソノラマ)、『GS』(冬樹社)、『宇宙船』(朝日ソノラマ)、『批評空間』(福武書店→太田出版)、『OUT』『ふぁんろーど』(共にみのり書房)、『i-D JAPAN』(UPU)、『ニャン2倶楽部Z』(コアマガジン)、『ファントーシュ』(分裂前のアニドウ)などなど
・創刊号は見あたらないが、雑誌だと古い『anan』や『POPEYE』、『Olive』(それぞれ平凡出版か社名変更後のマガジンハウス)、『現代思想』、『ユリイカ詩と批評』(共に青土社)、『お尻倶楽部』と『おもらし倶楽部』(共に三和出版)、『JJ 』(光文社)、『HEAVEN』(自販機本)、『Momoco』(学習研究社)、『SFマガジン』(早川書房)や『SMスナイパー』(ミリオン出版)。『投稿写真』(サン出版)、『25ans』(婦人画報社)、『ニャン2倶楽部』(少年出版社か社名変更後のコアマガジン)などなど
・朝鮮語の辞書は複数あるが、最も優れている『朝鮮語辞典』(悔しいが、日本側編集は小学館)
・『宇宙塵』(柴野拓美)、『よい子の歌謡曲』(梶本学)や、『フィルム1/24』(アニドウ)、『COLOSSUS』(竹内義和という人はこのグループにいた事くらいしか実は良く知らない)などの同人誌や、『田中角栄を殺すために記す』(サン書店→奥崎謙三)などの自費出版本など
・不思議本で言うと、原語版『金正日映画芸術論』(朝鮮民主主義人民共和国)とか、修正前の「石に泳ぐ魚」(柳美里の小説処女作)が初めて掲載された、文芸誌『新潮』(94年9月号)もあるね。イチオシなのは絶版本ミステリー『破戒裁判』(高木彬光)かナ(加筆訂正前初版本)→島崎藤村の『破戒』からアイディアを得たと思われる、壮絶な告白法廷劇→絶版になった理由はたぶん皆さんご推察のとおりです(笑い)
あ~、キリがない! 他にもインド料理やタイ料理、和食関連の料理本多数とか色々ですよ、それからいわゆるデジタル関連書籍も!
ビデオテープについて。
・本当に最近観てないので詳細不明だが、ベータ(β1はもちろんEDベータなど)やS-VHSなど数千本あります(一般の方は分からないと思いますが、SONYベータカムのテープやVictorのVCRテープもあります→映像関係のお仕事やテレビ局の方なら分かるでしょう)
パソコン関係について
・各種デバイス(MOドライブも最近は使ってないですね、あとSCSI系とか)、各種ケーブル、変換コネクターなどのパーツ、さまざまなネジや工具など、Mac関係ならけっこう多い。
キッチンについて。
・和食、洋食、エスニック関係大多数。無いスパイスはないくらいです(幻の長胡椒までもあります)。醤油は10本以内におさめましたが、塩は10種類は超えてると思います。豆もいっぱい。油も動物性、植物性問わず、かなり特殊なものまで多数。
変なもの
以前住んでいた一軒家には地下室があったので、分娩台以外の医療器具など相当数ありましたが、すべて処分しました(残念)
ただし、音楽関係について。
・思いの外CDなどはあまり数が無く、アナログのレコードやCDでもすぐに出てくるのは昭和40年代のモノくらい(あと、ジャニーズや服部良一関連)
みなさん、お読み下さってお疲れ様です。
という感じで、ボクの寝室押し入れには洋服の山があるわけです。
着ていないので忘れていたが、大昔にファッション関係の仕事(大手繊維メーカーの外部研究員)をしていたこともあるので、全盛期から考えるとカンが衰えてるけど、まだモード系の直感が働くんだよね、ボクは。
その中でも、「渋谷系ファッション」の今回求められていると思われるものとして、眠っていた「STUSSY」のシャツや「APE」のTシャツなど多数発掘。
たぶん、ブランドとしてはこいつらだろう。


Tシャツは複数見つけたが、「ハロー・ハチロー」という感じを出したくて、「Hello Kitty」のサンリオとAPEがコラボレートしたものを選んだ。もしかすると珍しいモノかもしれないが、猿ならアニメ『母をたずねて三千里』のアメデオが一番だよね!
それから帽子はどうやら麦わら帽子とかキャップではなく、渋谷系は綿素材のハットかなと想像(本当は麦わら帽子かぶりたかったんですが、ストローハットで思い出すのは森村誠一『人間の証明』ですね)。
渋谷系の靴はスニーカーらしいが、昔、小山田圭吾にもらったスニーカーは色目が上と合わなかったので、コンバースの「ある工場」で最後に作られたモノにした。
それで、何とか「コーディネートはこうでねえと」と、自作エビアン・ホルダーと組み合わせてみた。渋谷系は本当にこれで良いのか、四方宏明 !?

徹夜作業になりました・・・。
翌日、8月8日夜。ボクは渋谷からほど近い三宿のバーまで行ったのであった。
ところが・・・、ボクを待っていたバーのママ。接客をしている酒場の女将は・・・小学校の体操服にブルマー姿だった・・・!!
これが本当の渋谷系だったのか・・・!!!

しかし、来る客、来る客、誰一人もエビアン・ホルダーはぶら下げてなかったよ!!!!
一体どうなってるのか、応えろ、四方宏明!!!!!
ボクの姿はお店で爆笑されてしまった始末だった・・・が、DJにせよ何にせよ表現者は笑ってもらえれば最高、それでいいだろうよ。「場」や「空間」、「雰囲気」を作るの大切。

最後に前回と繰り返しになりますが、今後の告知です。
「宅八郎出没情報」をお伝えします! みなさんヨロシクね♪
夏だ! Summerだ! 夏のハチローだ!!
1.ハチロック「8月14日(土)」
千葉市「鎌取」のレイバーズカフェで、ハチロックのライブがあります。この日は西千葉にある「バー呼吸」が主催する「伝説の呼吸ナイト」イベントがあり、そのトリをハチロックがつとめます!
ハチロックの出演は22時頃から23時頃の予定です。当日は会場から近くの花火大会を眺めることも出来るようですよ♪
チケット 当日のみ ¥2,000
「レイバーズカフェ」
住所 千葉市緑区平山町1933
TEL 043-266-3379
URL http://www1.ocn.ne.jp/~ravers/

2.メカヤクザ「8月21火(土)」
池袋のライブハウス「Adm」で、「Rockin'Monster Summer Jam2010」というLIVE中心のイベントが開催され、その中で宅八郎a.k.a.h.a.t.a.[DJメカヤクザ]が出演します。イベントは16時15分オープンですが、ボクの出演時間は19時半くらいから20時半くらいまでの予定です。
チケット
前売り ¥1,800 当日 ¥2,000 (+1ドリンク ¥500)
池袋Adm
豊島区東池袋1-22-1GSハイムB1F
TEL 03-3983-9387
URL http://www.adm-rock.com/index02.html

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